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ノルウェー政府年金基金の投資戦略(2021年〜2022年): 不動産投資編

Posted on 5月 21, 20215月 22, 2021 by かちとり

株式投資編, 債券投資編と続いてきたノルウェー政府年金基金の投資戦略に関する投稿も, 今回の不動産投資編で一旦の最後です.

ノルウェー政府年金基金の投資戦略(2021年〜2022年): 株式投資編
ノルウェー政府年金基金の投資戦略(2021年〜2022年): 債券投資編

株式や債券などの証券投資については詳しい方も多いと思いますので, なぜ機関投資家が不動産に投資をするのかという方が新鮮なテーマなのかもしれません.

公表資料での記述もそれほど多くなく, さくっと読める内容ではありますが, さっそくノルウェー政府年金基金の不動産投資戦略についてポイントを確認していきたいと思います.

不動産投資の位置づけ

株式投資戦略, 債券投資戦略でも書いた通り, ノルウェー政府年金基金は政府から株式:債券 = 70:30というベンチマークを与えられています.

このベンチマークには不動産の枠は設けられていませんので, 基本的には債券枠の一部を利用して不動産投資を行なっています.

足元の2020年末の内訳では, 株式が72.8%, 債券が24.7%, 不動産が2.50%となっており, リターンの源泉が同じくインカムである債券の枠の一部が不動産に割り当てられています.

それでは, ここからノルウェー政府年金基金の不動産投資戦略の内容に入っていきます.

不動産投資の基本方針

ファンドの最大5%を不動産ポートフォリオの対象としており, 様々な戦略の下で管理された上場資産と非上場資産によって構成されています. 戦略の柔軟性により, 変化する市況を活用できるようになります.

出所:NBIM "Strategy 2021-2022"

不動産投資はファンドの5%までと決められています.

5%というと少ないような印象を受けますが, 約140兆円というファンド規模を考えれば7兆円なので, かなりの規模だとわかります.

上場資産とあるので, オフィスビルや複合施設などの実物不動産だけではなく, REITへの投資も状況に応じて活用しているようですね.

再生可能エネルギー

主に風力と太陽光発電への投資を目指し, 再生可能エネルギーのポートフォリオを徐々に構築していきます. 電力価格リスクが低減され, キャッシュフローが安定し, 元本投資のリスクが限定されたプロジェクトに焦点を当てます.

出所:NBIM "Strategy 2021-2022"

不動産投資の中で興味深かったのはこちら.

どちらかというとインフラ投資という感じですが, 不動産投資の枠組みでは再生可能エネルギーへの投資を通じてESG投資, サステナブル投資に取り組んでいく方針のようです.

欧州のファンドなのでESGへの関心も特に高いと思われますが, 世界的にESGへの取り組みが無視できない潮流になっていることがわかります.

同じ規模で再生可能エネルギーへの投資はできませんが, 個人が取り組む場合には太陽光パネルでの電力売買などになるのでしょうか.

パートナーシップの活用

私たちは, 実績のある運用経験を持つ高品質のパートナーと一緒に投資することに焦点を当てます.

出所:NBIM "Strategy 2021-2022"

不動産への投資は信頼できるパートナーと行うということですね.

投資の規模が世界各地の巨大なビル一棟といった規模になるので, 専門家の力なくしては容易にアクセスできない市場なのでしょう.

個人が売買するような日本の不動産市場についても, 株式市場と違って専門家との情報の非対称性が大きいので, 基本は仲介業者を通じてということになりますね.

まとめ

今回の投稿では, ノルウェー政府の不動産投資戦略についてまとめました.

巷で流行っているワンルームマンション投資などを積極的に推奨する訳ではありませんが, 株式や債券とのリターン源泉の違いやインフレ耐性など, 不動産は中長期の投資家にとって魅力的な資産クラスなのだと思います.

お手軽に投資ができるREITなどを含めて, 自分のポートフォリオにおける不動産投資の役割を考えてみるのもいいかもしれないですね.

ノルウェー政府年金基金の投資戦略(2021年〜2022年): 株式投資編

▲ 改めて, 株式投資戦略については, こちらの投稿.

ノルウェー政府年金基金の投資戦略(2021年〜2022年): 債券投資編

▲ 債券投資戦略については, こちらの投稿です.

1 thought on “ノルウェー政府年金基金の投資戦略(2021年〜2022年): 不動産投資編”

  1. ピンバック: ノルウェー政府年金基金の投資戦略(2021年〜2022年): 債券投資編 | インデックス投資家のアタマノナカ

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