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なぜ知識のある賢い投資家がマーケットをアンダーパフォームしてしまうのか

ツイッターを眺めていると「この人は投資の知識があるな」と思う方でも、市場をアンダーパフォームしていることがあります。

ツイッターの情報が真実なのかどうかはさておき、これをもって知識を身につけることに意味がないと考えてしまうのは早計です。

この記事では、知識がある賢い投資家が市場をアンダーパフォームしてしまう理由について考えてみたいと思います。

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10年遅れている投資の参考書

知識がある投資家でも市場でアンダーパフォームしてしまう理由、それは投資の教科書で学ぶ知識と真逆の動きが起こり得るからです。

多くの場合、個人投資家が投資の知識を得る最初の手掛かりは書籍ですが、名著と言われる書籍を読むと以下のような教訓を得ます。

  • 企業の本源的価値を下回る価格で投資
  • 配当こそが株式リターンの源泉
  • 市場が非効率な小型株に投資

たしかに、証券アナリストのカリキュラムでも市場リターンについて学んだ後、小型株効果や割安株効果について学ぶことになります。

米国株市場 出所:Kenneth French Data Library

▲ 教科書で習う通り、過去の小型株と割安株(≒高配当株)は高いリターンでした。

景気後退時のリスクが高い小型、割安な企業の株式に投資をすれば、リスクを取る対価として追加的なリターンが得られるはずです。

米国株市場 出所:Kenneth French Data Library

▲ しかし、現実の過去10年間は小型株投資が-22.52%、バリュー株投資が-59.98%…なぜこんなことが起きてしまうのでしょうか。

インターネットの発達で適正な価格形成がされるようになった、ファンドの設定・解約がパフォーマンスの悪循環を生んでいる、戦略よりも業種の影響が大きい…など諸説ありますが、決定的な説明はありません。

しかし、過去に有効性が検証された投資戦略のパフォーマンスでも、論文として公表された後の期間ではリターンが58%低下するという研究(※1)があるのも事実です。

※1 McLean and Pontiff (2016)

理由はともあれ、誰もが知るようになった投資戦略の有効性が下がるのはたしかであり、書籍で知識を学んだとしても 、その後の成功が約束される訳ではないのです。

逆に、この10年間はシンプルにビジネスや株価が好調な企業の株式を保有してた投資家は市場をアウトパフォームしていました。

これらが単に楽観的な投資なのか思慮深い分析に基づく投資なのかはわかりづらいですが、おそらくどちらのパターンも含まれていることが投資の難しさなのでしょう。

そして、このような過去10年間の市場の動きが説明できない訳ではありません。

米国株市場 出所:Kenneth French Data Library

▲ 10年間のパフォーマンスが良かった高収益株投資、事業の収益性が高い企業の株式を保有する戦略のリターンは+16.18%でした。

高収益株は、伝統的なバリューとグロースで市場を2つに分けるするフレームワークでは、市場をアンダーパフォームするグロース株に含まれる傾向がある株式です。

しかし、より最近の研究(※2)ではグロース株の一部はリターンが高い高収益株であるとわかっており、マーケットをアウトパフォームする経済的な背景があります。

※2 Novy-Marx (2012)

つまり、グロース株(割高株)はリターンが低いという伝統的な知識にこだわっていた投資家は、機会損失が大きかったと言えます。

米国株市場 出所:Kenneth French Data Library

▲ また、この10年間のリターンが高かったもう1つの戦略が、過去に値上がりした株式に投資をするモーメンタム戦略です。

過去に値上がりした株を買うなんていかにも素人っぽいと思われそうですが、これは昔から知られる有効な投資戦略の1つです。

逆にリターンが高い銘柄を素早く買うことによって、後追いの投資家がついてくることが戦略のリターンが生まれる背景の1つです。

リターンが高い株を、下がったら買おう、割安になったら買おうと慎重に構えていた投資家も、投資機会を逃したことになります。

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株式市場の10年間の教訓

例えば、デリバティブの価格理論においてマイナス金利が想定されていないように、金融分野の理論や常識は常に変化しています。

株式市場で勝つためには新しい理論や解釈を学び続け、現在のマーケットにどう応用するのかを自分で考えることが重要です。

一方で、特定の投資戦略が10年単位で振るわないことも十分あり得ますので、長期的に世界の市場で検証された戦略を安易に見限るべきでもありません。

私個人の考えとしては、一時的にアンダーパフォームしていてもサイズやバリューなどは有効な投資戦略です。

ただし、マーケットタイミングを読むのが難しいように、戦略が機能するタイミングを読むのも難しいので、相関の低い有効な戦略を分散するのが良い投資になると考えています。

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