資産運用

日経平均とTOPIXのどちらに投資をするべきか?日本株指数への投資について解説

国内株式のインデックスファンドへの投資を考える際に、TOPIXと日経平均のどちらに投資をするべきでしょうか。

どちらも日本の株式市場の動きを表す代表的な株価指数ではありますが、その指数構成や算出方法は大きく異なります。

この記事では、日経平均とTOPIXのどちらを投資するべきなのか、指数の特徴や役割を比較しながら解説していきたいと思います。

指数の比較

まずは2つの株価指数について、基本的な情報を整理してみましょう。

TOPIX日経平均
算出東京証券取引所日本経済新聞社
対象東証1部上場銘柄原則225銘柄
算出開始1969年7月1949年12月
指数型時価総額加重型株価平均型

TOPIX(東証株価指数)は、東証1部上場企業を対象とする株価指数であり、日本の株式市場を幅広くカバーする株価指数です。

そのため、日本の株式市場全体の動向を表す指標として、機関投資家の運用や投資信託における評価基準としても利用されます。

一方の日経平均株価は、原則として225銘柄を対象とした株価指数であり、こちらも日本の株式市場を代表する知名度の高い株価指数です。

日経平均株価を対象とした派生商品も広く利用されており、海外投資家の先物売買も日経平均先物が利用されることが多いと言われます。

TOPIXも日経平均株価も代表的な日本の株価指数ですが、対象銘柄や指数型の違いによって構成比には大きな差が生まれるため、両者の特徴をしっかり理解しておくことが大切です。

TOPIX(東証株価指数)

TOPIXは時価総額加重指数という名前の通り、東証1部上場企業を対象に時価総額が大きい企業ほど指数における構成比が大きくなります。

銘柄構成比
トヨタ自動車3.57%
ソニー1.78%
三菱UFJフィナンシャル・グループ1.64%
NTT1.50%
武田薬品工業1.39%
ソフトバンクグループ1.39%
キーエンス1.32%
三井住友フィナンシャルグループ1.12%
リクルートホールディングス1.05%
任天堂1.01%

出所:東京証券取引所(2019年10月末時点)

ただし、単純に時価総額の大きさに基づいて構成比が決まる訳ではなく、2005年10月より浮動株比率が考慮されるようになりました。

浮動株とは市場に流通する株式のことであり、大株主や企業、役員などが保有していて市場に流通していない分は構成比率が調整されます。

浮動株を考慮することで、出来高が少ない銘柄が指数に連動する資金による売買で株価が変動してしまうことを防ぐ効果が期待されます。

TOPIXを選ぶ理由として、日本の株式市場においてTOPIXがファイナンス理論上の最も効率的なポートフォリオとされる市場ポートフォリオであるという点があげられます。

市場に存在するあらゆる資産に分散投資をしたポートフォリオが投資のリスクとリターンの観点から最も効率的な点で均衡しますが、株式市場においてはそれが時価総額加重指数となります。

もちろん、TOPIXに含まれるのは東証1部上場銘柄だけですので、流動性などを考慮した現実的な制約の上で、最も「市場ポートフォリオ」に近いと考えられるということになります。

日経平均株価

日経平均株価は日経225とも呼ばれる通り、日本経済新聞社が選定する日本を代表する225銘柄の平均株価の推移を表す株価指数です。

銘柄構成比
ファーストリテイリング10.45%
ソフトバンクグループ4.26%
東京エレクトロン3.46%
ファナック3.37%
KDDI2.80%
ダイキン工業2.33%
テルモ2.24%
京セラ2.22%
信越化学工業1.92%
ファミリーマート1.71%

出所:日本経済新聞社(2019年10月1日時点)

指数の構成比を見るとわかる通り、ファーストリテイリングの構成比が10%を超えている、見方によっては偏った日本株指数です。

そういう意味では、TOPIXを基準にすると日経平均株価は日本最大のアクティブファンドと考えることができるかもしれません。

ファーストリテイリングは日本の代表企業であることは間違いありませんが、本来、株価の額面が大きいだけで保有を増やす理由はありせん。

日経平均株価の構成比が高い企業の株価リターンが高いと指数のリターンも高くなる(逆も然り)ため、ここ最近ではTOPIXと比較してリターンが高い傾向があります。

日経平均株価においては、単純に225銘柄の株価が平均されている訳ではなく、みなし額面というルールが採用されています。

1株当たりの株価は銘柄によって大きく違うため、各銘柄の株価を50円額面に換算することで指数採用株価をある程度揃える仕組みです。

例えば、みなし額面が50円の銘柄はそのまま採用株価となり、みなし額面が500円の銘柄は1/10が指数採用株価となります。

指数のパフォーマンス比較

2つの指数の過去10年間のパフォーマンスについて比較をしてみましょう。

パフォーマンスの推移(配当なし)

出所:Yahooファイナンス

過去10年間の運用実績では、日経平均がTOPIXのパフォーマンスを圧倒しました。

日経平均における構成比が高いファーストリテイリングやソフトバンク、ファナックなどの成長株のリターンが高かったことによるものです。

NT倍率の推移(配当なし)

出所:Yahooファイナンス

日経平均株価をTOPIXで割った比率はNT倍率と呼ばれ、一部の投資家から両者のパフォーマンス差を測る指標として支持されています。

短期的にはTOPIXと日経平均株価は付かず離れずの関係で推移していますが、10年の間に徐々に差が開いてきたことがわかります。

まとめ

ここまでの内容を踏まえて、それぞれの指数を選ぶ理由をまとめます。

TOPIXを選ぶ理由は理論的な背景を有する時価総額加重指数であること、日経平均を選ぶ理由は過去の高いパフォーマンスが根拠となります。

どちらも間違いではありませんが、個人的には日本株市場全体のリターンを獲得するという意味ではTOPIXへの投資が基準になると考えています。

ただし、東証1部の上場基準などを含めてTOPIXが本当に効率的な時価総額加重指数なのかは、今まさに議論し直されているところです。

株価指数もその時代に合った形で算出基準や役割が見直されていますので、その話題についてはまた改めて記事に書きたいと思います。

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