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ノルウェー政府年金基金の投資戦略(2021年〜2022年): 株式投資編

インデックスファンドの長期保有であったり, 個別銘柄への集中投資であったり, 資産形成における投資方法は人によって様々です.

自分に合った投資を選ぶのが一番ですが, 優れた長期投資家が足元でどのようなことを考え, 何に取り組んでいるのか, というのは個人的に知っておきたいポイントです.

最も著名な機関投資家の1つであるノルウェー政府年金基金が立てた, 2021年〜2022年の投資戦略が公表されていますので, その内容について確認していきたいと思います.

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ノルウェー政府年金基金の投資戦略

ノルウェー政府年金基金は, 株式:債券 = 70:30という運用ベンチマークが与えられています.

株式, 債券それぞれのアセットクラスでのアルファ獲得の取り組みを積み上げることで, コスト対比でリターンを最大化し, 中長期的にベンチマークのリターンを上回ることを目標としています.

足元の投資戦略については, ”Strategy 2021-2022”という公開資料にまとめられていますので, 株式投資戦略についてポイント別にご紹介していきたいと思います.

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長期のファンダメンタル投資

安定性の高い資産基盤を活用し, 長期的な企業のファンダメンタルズの成長への期待に基づいて投資を行います.

出所:NBIM " Strategy 2021-2022 "

ノルウェー政府年金基金は, 次世代のノルウェー国民に向けた長期資産の運用を行っています. こうした資金特性を活かし, 短期的な目線ではなく, 長期的な企業の成長からリターンを獲得していくということですね. これは長期投資の基本でもあります.

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独自の企業調査

外部の調査機関の分析との差別化を図りながら, 独自の企業調査を継続していきます. 独自の調査は, 当社の主要な投資について理解を深め, 投資先企業との対話を豊かにします.

出所:NBIM " Strategy 2021-2022 "

これは面白いですね. 企業との対話を推進するアセットオーナーは多いですが, 日本では株式の自家運用に取り組んでいるアセットオーナーはそれほど多くありません. 自分たちに企業分析や対話のノウハウがなければ, 委託先を適性に評価することも難しいのが実際のところなのではないでしょうか.

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大規模な長期資産の活用

私たちは, 大規模で長期の投資家として, 企業への独自のアクセスから恩恵を受けます. 今後も直接のアクセスを通じて, 理解を深め, 経営陣との長期的な関係を築き, ミーティングの質を高めていきます. 1,000社を徹底的にカバーすることを目指して内部管理を拡大していきます.

出所:NBIM " Strategy 2021-2022 "

100兆円を超える資産規模がある長期の投資家であれば, 企業と直接対話する機会もあるようですね. 1,000社を自前でカバーするという方針からは, 多くのリソースを割いていることがわかります.

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ネガティブセレクション

法廷会計を含め, 企業のファンダメンタルズを考慮したネガティブセレクションの研究を増やしていきます. 私たちの狙いは, パフォーマンスが悪いと予測される株式をアンダーウェイトすることにより, ネガティブセレクションを拡大することです.

出所:NBIM " Strategy 2021-2022 "

比較的目を引いたのが, このネガティブセレクションへの言及です. 投資戦略としてあえて書いているというのも珍しいのではないでしょうか.

ベンチマークを意識した投資家であれば, パフォーマンスが良い銘柄を選び出すよりも, パフォーマンスが悪い銘柄を選び出す方が確信度が高められるのかもしれません.

資産規模が大きすぎてポジティブセレクションの戦略に資金を預けきれないという制約から来ているのかもしれませんが, このテーマは自分でも少し研究してみたいと思います.

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地域マネージャーへの外部委託

企業と現地市場の動向を深く理解している外部マネージャーとともに, 市場の選択されたセグメントにおける資産の外部委託を拡大します. これは, ファンドのリターン向上とリスク低減に貢献します.

出所:NBIM " Strategy 2021-2022 "

世界的な機関投資家も現地マネージャーのパフォーマンスが優れているという認識をもっているというのは興味深いです.

日本の運用会社においても日本株のアクティブ運用者ですごい人は多いですからね.

最近はパフォーマンスが好調なアクティブファンドも多いので, コストさえ高くなければ現地マネージャーのアクティブ運用を活用するというのは選択肢の1つになり得るのかもしれません.

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まとめ

株式投資戦略においては, こうしたアルファの獲得の取り組みの他に, 売買コストや市場インパクト逓減への取り組みがもう一つの軸として言及されています.

運用上の制約やリソースは自分たちのような個人投資家とは全く違いますが, こうした洗練された機関投資家の考え方や取り組みはぜひ参考にしていきたいですね.

▲ 債券投資戦略については, こちらの投稿.

▲ 不動産投資戦略については, こちらの投稿です.

コメント

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  2. […] ノルウェー政府年金基金の投資戦略(2021年〜2022年): 株式投資編インデッ… ノルウェー政府年金基金の投資戦略(2021年〜2022年): 債券投資編前回の投稿では, 世界で最も有名な機関投資家であるノルウェー政府年金基金の株式投資戦略について書きました.今回の投稿は, 債券投資編です. 個人投資家の方にとっては関心が薄い分野かもしれませんが, 機関投資家では, 低…index-atama.com2021.05.18 […]