資産運用

良い銘柄分析と悪い銘柄分析の違いとは?まずは銘柄分析の目的を整理しよう

インデックス投資を中心に資産形成に取り組んでいる、かちとり(@kachidoki_joshi)です。

個別銘柄に投資をしている投資家の方の中には、ブログを通じてご自身の銘柄分析について共有している方もいらっしゃいます。

参考になると思う分析もあれば、もう少し情報が欲しいと思う分析もあり、両者の差が生まれる理由を理解することは重要だと考えられます。

この記事では、金融市場の比較原則という観点から銘柄分析について考察してみました。分析を読む人にも意識して欲しいポイントです。

スポンサーリンク

比較原則

金融市場における意思決定を単純化する方法の1つとして「比較原則(comparison principle)」という考え方が存在します。

例えば、知り合いから「1年後に110万円を返すから、100万円を貸して欲しい」と提案されたとして、これを受け入れるべきか考えてみます。

状況をシンプルにするため、提案された金額が返ってこないリスクはゼロであり、貸すための余裕資金も十分にあるとします。

この場合、知り合いの提案が1年間で10%のリターンを提供していると考えることで、他の投資機会と比較することが可能になります。

銀行預金の1年間の金利が8%ならばこの提案を受け入れるべきであり、金利が12%ならば提案を断って銀行に預けるべきだと判断できます。

このように投資は金融市場における他の投資機会と比較して評価されるため、銘柄分析はそのための材料を提供する必要があります。

悪い銘柄分析の例

まずは、参考にしづらいと考える銘柄分析の例から考えてみたいと思います。


X社は世界中で食料品や飲料を販売しているグローバル企業であり、品質の高い食料品を提供する企業としてブランドを築いています。

▲ 財務諸表からX社の利益の推移を確認すると、売上高の増加と共に安定的に高い利益を稼いでいることがわかります。

▲ X社の株価は、数年前に業績が悪化した際に一時的に低迷していましたが、長期的には右肩上がりで推移していることがわかります。

▲ 現在のX社の事業構成は、主力の食料品・飲料事業からの売上が9割を占めており、今後は新規に参入したヘルスケア事業の成長に期待です。


こんな感じの銘柄分析をインターネット上で見かけたことがないでしょうか。

X社が優良企業であることは何となく伝わってきますが、X社の株式に投資をするべきかどうか、これだけでは判断できません。

それは、X社への投資を他の投資機会と比較するのに必要な情報が不足しているため、投資機会の魅力を評価できないこらです。

良い銘柄分析の例

続いて、参考にしやすいと考える銘柄分析についても考えてみたいと思います。


X社は世界中で食料品や飲料を販売しているグローバル企業であり、品質の高い食料品を提供する企業としてブランドを築いています。

▲ X社の利益を財務諸表から確認してみます。今年度は昨年度から始まったコスト改革の効果が現れ始めると考えており、利益率は10%程度上昇すると予想しています。

▲ 同社の過去の株価については、PER13倍〜18倍の水準の中で推移してきたことがわかります。

増益への期待が高まる中で株価は過去のレンジの上限で推移しており、ここからの上昇余地は限定的であると考えられます。

現在のX社の株価3,480円は予想EPS195円、PERは17.9倍で評価されていますが、EPSが210円まで上昇することを見込むと、2,730円〜3,780円が適正価格であると考えています。


このような分析に基づけば、X社への投資が他の投資機会に対して魅力が高いのか低いのかを数値的に判断できます。

通常の銘柄分析であれば、なぜこのような結論に行き着くのかという疑問に対するデータや考察が色々とあげられます。

もちろん、他人が行った分析が本当に正しいのかどうかはわかりませんので、読み手の方自身が意識して判断しなければなりません。

まとめ

上手に投資を行う上で自分なりの銘柄の見通しを持つことは重要ですが、他人の形だけ真似をしても銘柄の紹介に終わってしまいます。

どのような優良企業でもその素晴らしさが既に株価に反映されている場合、これから投資をしても儲けることはできません。

分析に基づいた予測が当たるか外れるかは別として、銘柄分析に重要なのは市場が株価に織り込んでいない将来をいかに見通せるかどうかです。

もちろん、このような将来の予測が容易ではないことは明らかですので、私は多くの方にインデックス投資がお勧めであると考えています。

▼ MBAの教科書としても使われる「企業価値評価評価」の決定版です。

目次を眺めるだけでも企業分析の視点が広がりますが、熱意と体力がある方はぜひ一度読んでみることをお勧めします。

資産運用
スポンサーリンク
インデックス投資家のアタマノナカ

コメント